砂糖と小麦粉は炎症性腸疾患にかかりやすくなる?アメリカの最新論文が明らかに

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近年、患者数が増加しているといわれている「炎症性腸疾患」は自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃し、炎症を起こす病気だ。代表的なものとして

  • 潰瘍性大腸炎
  • クーロン病

以前はあまり聴き慣れない病気であったが、自民党の安倍晋三首相も1回目の首相退任の理由になったともされている。
主な症状として腹痛や慢性的な下痢や血便などで根本的な治癒ができない難病とされている。また症状が軽い人でも結腸癌に関する死亡のリスクを高めることが知られている。

欧米食は軒並みリスク有り

完治が難しいとされている病気であり、少しでも改善することを目指すとなると、リスクファクターの除去と栄養摂取の見直しが必要である。2020年4月のアメリカの国民健康調査によると身近な食品群と炎症性腸疾患との関連性が明らかになったと発表された。

26種類の食べ物で追跡調査を行い発症との傾向を調べたところ次の食品が挙げられた。

  • 揚げ物
  • チーズ
  • クッキー
  • スポーツ飲料
  • エナジードリンク
  • 炭酸清涼飲料水(加糖)

これらの成分を細かく見てみるとある成分の共通群が見られた。それは小麦、油(オメガ6、パーム)、カゼイン、砂糖、加糖ぶどう糖だ。これらは体内で炎症を起こしやすくする成分で有り取りすぎには十分注意が必要である。欧米食は主に小麦や砂糖、油を多く使うためにかなりのリスクがあることがわかる。

日本人は小麦と砂糖は特に注意

日本人はこれまでコメを主食としてきたために小麦に含まれるグルテンというタンパク質が体内で炎症を起こしやすいことがわかっている。また日本人に限らず、砂糖の高摂取は腸内細菌のバランスを崩すために炎症を引き起こしてしまうことがわかっている。

小麦も砂糖もめっちゃ好きなんだけど・・・

グルテンフリーといった言葉がスーパーでもちらほら現れるようになったりと小麦があまり体によくないことが少しずつ認知されてきてはいるが、まだ十分ではない現状だ。

日本の研究でも「砂糖」の摂取がクーロン病や潰瘍性大腸炎の発症リスクを高めるという研究が出ている。

砂糖入りの清涼飲料水は癌のリスクも高める

2019年のイギリスの論文によると、10万人の対象者を元に5年にわたり追跡調査を行ったところ砂糖入りの清涼飲料水を1日に100ml多く摂取することで癌発症リスクが18%、乳がんのリスクは22%も上がることが発表された。これは主に糖尿病などの生活習慣病を誘発することに起因していると見られており心疾患による死亡も問題となっている。
砂糖の取りすぎは体内で全くいい影響を及ぼさないため極力控えるべきであると言える。

アメリカで1%もの人が罹患していると見られるセリアック病は小麦が原因

小麦に含まれるグルテン免疫反応を起こしてしまう自己免疫疾患であるセリアック病が欧米では深刻になってきている。なんとアメリカで1%もの人がこの病気に罹患していると見られている。症状は深刻で小腸の絨毛の萎縮と破壊を引き起こし粘膜の炎症を引き起こすものである。
現在、研究が進められているが、グルテン過敏症の中の一部でこのセリアック病が起きていると見られている。食品に含まれる添加物などと作用してよりアレルゲンとしての働きを強めてしまうため特に菓子パンなどの摂取は控えた方がいい。
先ほども述べたがグルテンフリーの食品を選ぶことが大切になってくる。

食品選びに細心の注意を

近年問題になっている炎症性腸疾患は主に自己免疫疾患で有りその原因と見られているのが砂糖や小麦であることがわかった。人間はかつて狩猟民族であり、野生の動物や木の実などを食べて生きてきた。小麦のグルテンや砂糖は「精製」されるものであり本来の自然の姿ではない。現代では毎日摂取するものであるがゆえに他の添加物などと悪い作用を起こしアレルゲンとなってしまうことも十分にある。ぜひ食事内容を見直してこれらの病気に罹患しないように心がけて欲しい。

 

 

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